【知っておきたい】GitLab最新ブログのご紹介 Part7

DevSecOpsが企業の開発基盤として一般化する中、今あらためて注目されているのが企業自身が開発環境の主導権を握るという考え方です。GitLab公式ブログでは、このテーマに焦点を当て「DevSecOpsにおける企業の独立性がなぜ重要なのか」という観点から、背景と具体的な取り組みを分かりやすく解説しています。
特に最近では、AIの活用が進むにつれて開発者や企業が次のような疑問や懸念を抱くケースが増えています。
- 自社のコードはどのように取り扱われているのか
- AIがどのように学習し、コードを利用しているのか
- 開発基盤のコントロールを誰が握っているのか
これらはDevSecOpsの根幹に関わる問題であり、信頼性の高い開発基盤を維持する上で無視できないポイントです。
GitLabが重視してきた透明性と独立性
公式ブログでは、GitLabが長年大切にしてきた理念として透明性と独立性が紹介されています。この理念に基づき、企業が安心してプラットフォームを利用できるよう、数多くの取り組みが実施されています。
AI透明性センターによる情報公開
GitLabはAI透明性センターを設置し、ユーザーのコードや情報がどのように利用されるのかを明確に公開しています。
- 顧客データはAIモデルの学習に使われない
- ユーザーのコードがどのように処理されるかを透明化
これにより、企業が抱えるAI利用に対する不安を軽減し、安心してAI機能を活用できる環境が整備されています。
特定プロバイダーへの依存を回避する仕組み
ブログでは、複数の大規模言語モデルを活用できる柔軟性についても紹介されています。これにより、ユーザー企業は次のような選択が可能です。
- クラウド環境を自由に選べる
- オンプレミスでも利用できる
- 特定のAIプロバイダーに縛られない
こうした柔軟性の高さは、自社のポリシーやセキュリティ要件に沿ったAI活用を実現する上で大きな利点となります。
セキュリティとコンプライアンスの統合
開発プロセスの初期段階からセキュリティとコンプライアンスを統合するという考え方も紹介されています。GitLabでは、DevSecOpsの思想をプラットフォーム全体で実践しており、企業が自然な形でセキュリティを維持できる設計になっています。
オープンソースコミュニティとの連携
GitLabはオープンソースコミュニティと継続的に協力し、改善を続けています。コミュニティによる貢献とフィードバックは、機能の信頼性向上や透明性確保に直結しています。
オープンな環境だからこそ、企業側も安心して利用できるという点が強調されています。
独立性が企業にもたらす価値
ブログでは、これらの取り組みが企業にもたらす価値として次のような点が挙げられています。
- 自社のデータ管理や統制を確実に行える
- ガバナンス要求に応じた柔軟な運用が可能
- AI時代においても開発基盤の安全性を確保できる
DevSecOpsを推進するうえで、主導権を企業側が握り続けることはかつてないほど重要であり、GitLabはその支援を続けています。
おすすめの読者
今回のブログは次のような読者に特に適しています。
- DevSecOpsに関心を持つエンジニア
- 情報システム部門やIT統制を担当する方
- AI利用におけるガバナンスに興味がある方
独立性を軸にDevSecOpsを見直すきっかけとして、非常に参考になる内容です。
感想
今回の内容を読んで強く感じたのは、AI活用が標準化しつつある今だからこそ企業の独立性がより重要になるという点です。特にデータの取り扱いやAIモデルとの関係性は、導入を検討するお客様から頻繁に質問を受ける部分でもあります。
GitLabが透明性と独立性を中心に据えて具体的な施策を展開していることは、提案において大きな安心材料となります。AI透明性センターの設置や複数LLMへの対応は、企業が自社ポリシーに沿った安全な開発環境を構築できる大きな強みだと感じました。
DevSecOpsを推進する中で、企業が主体的に判断し、リスクをコントロールできる環境はこれまで以上に欠かせません。今回のブログはその重要性をあらためて確認できる内容でした。
この記事の著者:近藤泰介 -Taisuke Kondoh-
SB C&S株式会社
主にデジタルワークスペース実現のためのソリューション展開、案件支援、先進事例の獲得、協働パートナーの立ち上げを経験。
現在は新規事業開発やDevOps・クラウドネイティブに関する提案活動、販売代理店の立ち上げ、
国内外の新規商材発掘(目利き)/調査といったTec Scouting活動に従事。
また、Microsoftを中心としたビジネス領域の調査・プリセールスも行う。
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