
皆さん、こんにちは。
SB C&S 技術担当の小林です。
今回は、1月29日に開催された「NetApp INSIGHT Xtra Tokyo 2026」の参加レポートをご紹介します。
NetApp国内最大級のイベントである本イベントは、東京ミッドタウン ホール&カンファレンスで開催されました。
会場の雰囲気や豪華なキーノートセッションの様子に加え、現在大きな注目を集めている分散型 AI ストレージ「NetApp AFX」に搭載された「NetApp AI Data Engine」のハンズオンも実施されました。
また、昨年開催された NetApp INSIGHT Xtra Tokyo 2025 や、本国ラスベガスで行われた NetApp INSIGHT 2025 の雰囲気が気になる方は、以下の記事でもご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
・NetApp INSIGHT Tokyo 2025 参加レポートはこちら
・NetApp INSIGHT 2025 参加レポートはこちら
※昨年のイベントの様子
※本記事はイベントで得た情報をもとにまとめた独自レポートとなります。
NetApp INSIGHT Xtra Tokyo 2026
NetApp INSIGHT Xtra Tokyo は、NetApp が世界各地で展開しているカンファレンスの日本版として、毎年開催される終日開催型のイベントです。
東京ミッドタウン ホール&カンファレンスを舞台に、データインフラや AI、セキュリティ、クラウド拡張といった最新技術に関する情報が多数紹介されました。
本イベントでは、NetApp およびパートナー企業によるセッションやハンズオンを通じて、日々のシステム改善や次世代インフラの検討に役立つ知見を得られる機会が用意されています。
ランサムウェア対策やガバナンスといった実務課題から、生成 AI の活用まで幅広いテーマが扱われ、参加者同士の交流やエキスパートとのネットワーキングも大きな魅力です。
その中でも2026年は「学び」「つながり」「成長」という3つの視点で構成されており、最新の技術トピックを学んだり、同じ課題を持つ技術者と交流したり、さらに今後の取り組みや技術活用の方向性を考えるうえで、多くの示唆が得られる内容でした。
キーノートトピックス
ジョージ・クリアン氏(NetApp CEO)
「オールフラッシュストレージ市場No.1」の販売実績を強調したネットアップ合同会社 代表取締役社長 斉藤千春氏によるオープニングに続き、ジョージ・クリアン氏がキーノートスピーカーとして登壇しました。
同氏はセッションの冒頭において、「データは知識の基盤」というメッセージを打ち出しました。
続いて、30年にわたる技術革新の歴史とともに、ハイブリッドクラウドやAI時代においてもNetAppがデータ管理の中心にあり続けてきた実績が紹介されました。
さらに、AIワークロードに対応するデータ基盤の考え方として、以下の5項目から構成されるデータパイプラインが提示されました。
①データの編成
②データガバナンスの仕組みを適用
③メタデータの拡張
④効率的なデータ変換プロセス
⑤データとモデルのライフサイクルを一緒に管理
その後、AI領域に関する具体的なNetAppのアプローチの説明の中で、NetApp AFXやNetApp AI Data Engineの紹介とデモ動画が公開されました。
AIDEのデモ説明はこちらをご覧ください。
AI分野に関する取り組みの話は続き、NetAppのデータ基盤とNVIDIA社との技術連携が示され、両社のパートナーシップを印象づける内容となりました。
クラウドトランスフォーメーションについての話も展開され、主要クラウドサービスとの連携が紹介されました。
その中で、Google Cloud NetApp Volumesのブロックストレージ対応や、Amazon FSx for NetApp ONTAPにおけるSnapMirror/FlexCache対応が取り上げられました。
あわせて、Microsoft Azure NetApp FilesおよびGoogle Cloud NetApp Volumesへの対応拡充も進められていることが示されました。
そして、データ隔離やデータ侵害検知機能など、サイバーレジリエンスに沿ったセキュリティ機能のさらなる拡充についての説明もありました。
セッションを通じて、AI活用を前提としたデータ基盤の重要性が改めて示されました。
その実現に向けて、データ編成やガバナンス、メタデータ管理、ライフサイクル管理を統合するデータパイプラインの重要性が語られ、AI時代におけるデータ基盤の方向性を明確にするセッションとなりました。
続いて、パートナーセッションの概要をご紹介します。
なお、NDAの観点から詳細な内容やスライドの掲載は控え、ここでは概要のみをお伝えします。
また、構成の都合上、イベント内での進行順とは一部前後してご紹介しています。
Intel
ビデオメッセージを通じて、NetApp AFF Aシリーズと Intel Xeon を組み合わせたコンパクトなAIワークロード向けのハードウェアプラットフォーム「NetApp AI Pod Mini(Intel Xeon搭載)」が紹介されました。
本ソリューションは、あらかじめ構成・検証されたハードウェアプラットフォームとして提供されており、短期間での導入が可能な点が特徴です。
スモールスタートを前提としたAI基盤として、コストパフォーマンスの高さも強調されていました。
ハードウェア構成は以下の通りです。
・NetApp AFF A20 / A30
・Intel Xeon 6(Intel Advanced Matrix Extensions 対応)
・Open Platform for Enterprise AI

Microsoft
AzureからオンプレミスのNetAppストレージを直接参照し、複製や移行無しのハイブリッド連携を紹介しました。
製造業では探索時間を95%削減するなど、実ビジネスに直結する成果も示され、クラウドとオンプレをシームレスにつなぐ価値が強く印象に残るセッションとなりました。
株式会社NTTデータ
機密データ保護や法規制対応を背景に、プライベートAIとガバナンス重視のAI基盤を提案し、GPU基盤の一元管理と安全な活用を実現する「Smart AI Agent」構想を紹介しました。
セガサミーホールディングス株式会社
高解像度コンテンツの増加により爆発的に伸びるデータ容量に対し、Amazon FSx for NetApp ONTAPやARP(Autonomous Ransomware Protection)で対策の重要性やバックアップ含めたランサムウェア耐性について紹介しました。
トヨタ自動車株式会社
Mobility 3.0実現に向け、「データが最重要資産」と位置付けたデータドリブン経営のデータ共有基盤とDXによるクルマを超えた社会全体の最適化についての紹介がありました。
スポンサーセッション
スポンサーセッションとは、協賛企業が技術検証結果やソリューションを紹介し、参加者に最新の実務活用事例や差別化ポイントを伝えるプレゼンテーションの枠組みです。
SB C&Sからは今年も河村が登壇し、NetAppが無償で提供するマルチハイパーバイザー間の仮想マシン移行ツール「NetApp Shift Toolkit」を紹介しました。
従来、本ツールはVMwareからHyper-Vへのエンドツーエンド移行をサポートしていました。
アップデートにより、新たに Red Hat OpenShift Virtualization(以下、OCP-V) および Oracle Linux Virtualization Manager への移行もサポートされました。
セッション内では、デモ動画を用いて、Hyper-Vおよび新しくサポートされたOCP-Vへの移行についての説明が行われました。
NetApp Shift Toolkitに関する詳しい説明はこちら
セッションアジェンダ
①移行に関する課題とツール比較
② NetApp Shift Toolkitとは?
③報告及びポイント解説
④まとめ
NetApp Shift Toolkit側の設定
NetApp Shift Toolkit側で必要な設定は、以下の3点のみとなります。
移行ツール側の設定が簡単である点は、心理的なハードルを下げ、導入のしやすさにつながると感じました。
①サイトの追加:移行元及び移行先のハイパーバイザーをNetApp Shift Toolkitに登録する
②リソースグループの作成:移行する仮想マシンをグループ化し、移行先のハイパーバイザーを決定する
③ブループリントの作成:移行に関する詳細な条件を決定する
移行先環境構築に関するポイント解説
移行先環境別の注意点は、以下の2点です。
OCP-V 環境への移行では NetApp Trident の導入が必要となりますが、NetApp Shift Toolkitと同様に、NetApp Tridentも無償提供されているため、ツール導入に伴う追加ライセンスは不要です。
Hyper-Vの場合
ポイント①:Hyper-VサーバーでCredSSPを有効にする
ポイント②:移行後に実行される環境チェック用のスクリプトを日本語環境用に修正する
OCP-Vの場合
ポイント①:OCP-V環境にTridentを導入する
ポイント②:OCP-V環境にNMstateを導入する
ポイント③:Windows OSを移行する場合は、移行準備時でVirtIOドライバー(ISO)をマウントする
検証結果の報告
以下は移行先別の検証結果になります。
移行先に関わらず短時間での移行が可能であり、実運用を想定しても安心感のある結果でした。
①VMware から Hyper-Vへの移行
移行時間:5分
VMware Tools削除:完了
ネットワーク設定引継ぎ:完了
②VMwareからOCP-Vへの移行
移行時間:8分(実質的な移行時間は5分程度)
VMware Tools削除:完了
ネットワーク設定引継ぎ:完了
昨今の仮想化ソフトウェアを取り巻く状況を踏まえ、本ツールは高い関心を集めており、今年も多くの参加者がセッションに参加していました。
今後もブログやセミナーを通じて、NetApp Shift Toolkitに関する情報を継続的に発信していく予定ですので、ご期待ください。
その他の催し
ハンズオンブース
会場にはハンズオンブースが設けられ、ONTAPのSystem Managerを使ったストレージ構築体験ができる複数種類のハンズオンが用意されていました。
その中でも、「NetApp AFX」に搭載された「NetApp AI Data Engine」のハンズオンを体験しました。
GUIからワークスペースを作成し、特定拡張子のファイルを抽出してRAG向けデータを選択、エンドポイントを公開するまでの一連の流れを実際に操作しました。
データ準備から検索基盤の構築までをGUIで完結できる点は、印象に残る内容でした。
NetApp AFX A1K&ASA A70の実機展示
NetAppのAIワークロード向けハイパフォーマンスストレージ「NetApp AFX A1K」と、ブロック特化のオールフラッシュ「NetApp ASA A70」の実機展示も行われていました。
それぞれ大規模AI処理やミッションクリティカルな業務を支える最新プラットフォームとして、高性能・高信頼性を実現するモデルです。
実機は想像以上に筐体の存在感があり、迫力を間近で体感できました。
パートナーネットワーキング&ランチ提供
今年もネットワーキングやランチでは豪華な食事やドリンクも提供されました。
参加者同士の交流も活発で、会場は終始にぎやかな雰囲気でした。
イベント全体が一体感のある盛り上がりを見せていました。

NetApp INSIGHT Xtra Tokyo 2026 まとめ
今回の INSIGHT Xtra Tokyo 2026 では、AI時代に求められる「データ基盤」の重要性と、NetAppが提供する最新技術・ソリューションを幅広く体感することができました。
キーノートからハンズオン、各社事例まで、実務に直結するリアルな知見が多く、非常に「学び」の多い一日となりました。
特に NetApp AFX や NetApp AI Data Engine など、これからのAIインフラ提案に活かせる具体的な技術が強く印象に残っています。
パートナーやエンジニア同士の交流も活発で、「つながり」と「成長」を実感できるイベントでした。
今後も本ブログやセミナーを通じて、現場目線の技術情報を継続して発信していきますので、ぜひご期待ください。
最後に、SB C&Sもブースを出展し、イベントを盛り上げました。
2025年度から、ストレージチームは販売推進/技術チームの人員増加により体制を強化し、多数のノベルティなど、例年以上に力を入れて参加しました。
ブースにお立ち寄りいただいた皆さま、ありがとうございました!
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
小林 健太

