
生成AIの活用が広がる中、「どこで、どう動かすか」は重要な判断軸となっています。本記事では、富士通が提供するオンプレミスAI基盤「Private AI Platform on PRIMERGY(以下PAPP)」を通じて、セキュアかつ実務に直結するAI活用の可能性をご紹介します。
目次
1. AIが止まらない!でもクラウドで大丈夫?
─ 生成AIブームの裏にあるセキュリティ課題とは
2. "クラウドに頼らない"という選択肢
─ Private AI Platform on PRIMERGY(以下PAPP)とは? ─ 安全・安心なAI活用のかたち
3. オールインワンインフラで未来を創る
─ 革新的なハードウェア・ソフトウェアキテクチャを解剖
4. PAPPの利用シーン
─ ナレッジ登録から即活用できるAIアシスタントから応用活用まで
5. "業務につながるAI"を最短ルートで実現!
─ 社内文書検索、チャットボット...現場で使えるユースケース集
6. 導入から運用まで、すべてお任せ!
─ 富士通とパートナーが支える "はじめてのオンプレAI"
1. AIが止まらない!でもクラウドで大丈夫?
─ 生成AIブームの裏にあるセキュリティ課題とは
生成AIは業務効率や価値創出の源泉として注目されていますが、その多くがクラウドサービスの利用を前提としていました。しかし、そこには企業データの漏えいや管理統制の難しさといった深刻なリスクが潜んでいます。特に、顧客情報、設計図、契約書といった機密性の高いデータをAI活用したい場合、クラウド環境では慎重な運用が求められます。
クラウドに預けた瞬間から、データは完全に自社の管理下にはありません。予期せぬデータの蓄積、API通信時の漏洩リスク、第三者の関与による情報流出など、コンプライアンス違反や社会的信用の低下につながる可能性があります。
2. "クラウドに頼らない"という選択肢
─ PAPPとは? ─ 安全・安心なAI活用のかたち
富士通のPAPPは、生成AIをオンプレミスで安全かつ柔軟に活用するための基盤です。クラウドを使わずに社内環境のみでAIを動かす選択肢は、情報漏洩リスクを回避します。顧客情報、設計図、契約書といった機密性の高いデータも社内AIで活用することが可能になります。また、PAPPはオンプレミス運用となるため、定額制であり、コストの予測が容易です。
3. オールインワンインフラで未来を創る
─ 革新的なハードウェア・ソフトウェアキテクチャを解剖
富士通のPAPPは、AI活用に必要なすべてのソフトウェア・ハードウェアコンポーネントを統合したオールインワン型インフラとして提供されます。
基盤にはGPUを搭載したPRIMERGYサーバーを採用し、その上にOSおよびコンテナ基盤を構築。さらに、最新のLLM/VLM(大規模言語モデル)、RAG(検索拡張生成)技術、そしてOpenAI互換API/Web GUIといったアプリケーション層までを包括したソフトウェアスタックを標準で装備しています。※以下は Small 構成の例
PAPP には、購入後すぐに使える以下のアプリケーションが標準搭載されています。
・モデル切り替え GUI
管理者向けのシンプルなGUIで、利用可能なLLMの切り替え操作が可能です。
・Dify アプリケーション
ノーコードでAIアプリを作成・共有できるプラットフォーム。モデル切り替えGUIとの連携や、アプリのテンプレートも付属。
・リソース監視ツール(Grafana)
CPUやGPUなどのリソース利用状況をグラフで可視化・確認できるWebベースのツールです。
これにより、企業は面倒な個別構成や環境構築を行うことなく、導入初日から本格的な生成AIの活用が可能になります。構築の負荷を抑えつつ、高い柔軟性を兼ね備えたこのプラットフォームは、まさに"未来を創るAIインフラ"です。
4. PAPPの利用シーン
─ ナレッジ登録から即活用できるAIアシスタントから応用活用まで
AI チャットボットの作成
PAPPでは、業務マニュアルやFAQ、操作ガイドなどのドキュメントをナレッジとして登録することで、誰でも簡単にAIチャットボットを構築できます。PDFなどのドキュメントをアップロードするだけで、AIが自動的に内容を解析・登録し、即座に対話可能なアシスタントとして利用可能になります。
また、業務に応じたAIに答えさせたい指示内容(プロンプト)を設定することで、より的確かつ意図に沿った回答を実現できます。
登録されたナレッジはインターフェース上で一覧管理でき、ユーザーはチャット画面で質問事項を記載するだけで、AIがナレッジに基づいた回答を即座に返してくれます。ナレッジ登録も対話利用も非常にシンプルで、専門知識を持たない現場のメンバーでもすぐに活用を開始できる点が、PAPPの大きな特長です。
業務ツールと連携した自動処理
PAPPはチャットボットとしての対話利用にとどまらず、業務ツールと連携した自動処理も可能です。
たとえば、Excel, OpenOffice CalcやLibreOffice Calcなどのスプレッドシートに、DifyのAPIを呼び出すマクロ関数を埋め込むことで、問い合わせ内容を一括でAIに送信し、その回答を各セルに自動反映させることができます。
この仕組みにより、問い合わせ内容とメールアドレスを一覧化した表に、マクロ関数(=callDifyWorkflow)を設定しておけば、各行ごとにAIが適切な回答を返し、自動で回答欄に反映されるといった人手を介さない業務自動化が実現できます。
これにより、社内の問い合わせ対応や、FAQ処理、ユーザー管理業務などにおいて、劇的な工数削減と精度向上が可能になります。
PAPPは、対話だけでなく既存業務フローとも柔軟に統合できるAIインフラです。
5. "業務につながるAI"を最短ルートで実現!
─ 社内文書検索、チャットボット...現場で使えるユースケース集
AIの導入効果は、技術的な進歩にとどまらず、実際の業務改善にどうつながるかが鍵です。
富士通のPAPPでは、以下のような即効性のあるユースケースを取り揃えており、導入初日から成果創出が可能です。
・社内ナレッジ管理で、ポリシーや技術文書の検索性を改善し、社員の検索時間を削減
・長文要約AIを活用すれば、週次報告の要約で工数削減
・マーケティング最適化により、コンバージョン率向上で売上増加
・契約書のAIチェックでリスク特定・訴訟防止
・人材マッチングAIにより採用コストや離職率を削減
・新人研修のAI生成教材により、学習成果の可視化と効率化
など、多彩な業務領域でAIを"即・使える"カタチにして提供します。
このように、PAPPは"PoC止まり"ではなく、"業務変革の主役"として活躍するAI導入を、最短ルートで実現します。
6. 導入から運用まで、すべてお任せ!
─ 富士通とパートナーが支える "はじめてのオンプレAI"
AI基盤の構築・運用に不安がある企業様も、富士通とパートナーの支援体制なら安心です。
「どのモデルを選べばよいか分からない」「構築やチューニングの手間がかかる」「社内にノウハウがない」など、技術面・運用面のハードルは決して低くありません。
富士通のPAPPは、こうした課題に対して"まるごと任せられるAIインフラ"として設計されています。
機器調達から設計、構築、導入後の保守までワンストップで支援します。初めてのオンプレAIでも、安心してスタートできます。
著者紹介

SB C&S株式会社
C&S Engineer Voice運営事務局
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