
はじめに
こんにちは、SB C&Sの友松です。この記事では、NutanixのコアソフトウェアであるAOSのバージョン「6.10」の新機能についてご紹介します。AOS 6.10は、6.5に続く最新のLTS(Long Term Support)バージョンとして、2024年10月にリリースされました。
2024年には先行してAOS 6.8(eSTS)といったバージョンもリリースされていましたが、待望の次期LTSバージョンがついに登場しました。既存バージョンからのアップグレードや新規導入時に今後は6.10が使用されますので、ぜひ早めの情報収集にご活用いただければ幸いです。
AOS 6.10(LTS)に追加された新機能
AOS 6.10には、これまでのAOS 6.5(LTS)で提供されていた機能に加えて、AOS 6.5以降にリリースされたShort Term Support(STS)バージョンである 6.6.x、6.7.x、6.8.xの新機能が含まれます。これらSTSバージョンの新機能の詳細については、以下公開済みの記事をご参照ください。
▽Nutanix AOS 6.6(STS)/Prism Central pc.2022.9の新機能紹介
- ipsetを使用したクラスター内通信のファイアウォール
 - NGTとCVM 間のIPレス通信
 - DRレプリケーショントラフィックの暗号化
 - Nutanix Disaster Recovery におけるネットワークセグメンテーション
 - Virtual Trusted Platform Module (vTPM) による AHV VMの保護
 - PrismからESXiをメンテナンス モードへ移行
 - アップグレード中のリビルド開始時間の調整
 - AHV スイッチ ポート アナライザー(SPAN)の機能追加
 - ボリューム グループと整合性グループのディザスタ リカバリ
 - 自律型NearSync
 - PrismでのRDMAポートパススルーとZTR
 - ディスクの健全性監視機能の強化
 - Cross-vDisk ストライプのインライン イレイジャーコーディング
 - 切断されたPrism Centralからクラスターを登録解除
 - 改善された不要データ自動削除(ガベージコレクション)機能
 - イメージ配置ポリシーのサスペンド
 - セキュリティダッシュボードの追加
 - ストレージ ポリシー機能の強化
 - AHV ホスト名の変更
 - Prism Operationsの追加
 - マイクロサービス インフラストラクチャのデフォルト有効化
 
▽Nutanix AOS 6.7 STS/Prism Central pc.2023.3の新機能紹介
- アップグレード中の不要なリビルドの制限
 - トラフィックミラーリングセッションの仕様変更
 - MACアドレスプリフィックスによるIPアドレスの重複回避
 - NGTの一括インストール
 - AHV vTPM ゲスト VM のディザスタ リカバリ サポート
 - アフィニティ ポリシー フレームワークの機能強化
 - NVMe + HDDハイブリッド構成のサポート
 - All FlashノードにおけるAll NVMe(24ドライブ)のサポート
 - NSX セグメントのネットワーク セグメンテーション サポート
 - キーバックアップの機能強化
 - Nutanix v4 API(EA)の導入
 - クロスクラスターライブマイグレーション(CCLM)
 - Prism Centralからのノード追加・削除
 - トラフィックミラーリングセッションのGUI操作
 - ストレージ ポリシーを使用したボリュームグループの管理
 - ストレージ管理の機能強化
 - Nutanix Cloud Manager (NCM) のブランド変更
 - アプリケーション スイッチャーのアップデート
 - NCM インテリジェント オペレーションのアップデート
 - パルスヘルスモニタリングの機能強化
 - リモートサーバーから認証情報を用いたイメージのアップロード
 - イメージファイルのダウンロード
 - Prism Central Disaster Recovery の名称変更
 
▽Nutanix AOS 6.8 eSTS/Prism Central pc.2024.1の新機能紹介
- クラスタ回復力にて「スマートリビルド」をデフォルトとして設定
 - ストレージ統計と使用状況レポートの改善
 - クラスター作成時のデフォルトパスワード変更とロックダウン
 - リモートホスト上の宛先へのトラフィックミラーリングをサポート
 - Prism Central の IAM インターフェースの刷新
 - 仮想マシン配置時の自動クラスター選択
 - 承認ポリシーによるセキュアスナップショット
 - XSサイズのPrism Central
 - 非効率VM検出のための計測期間の変更
 - デフォルトのストレージポリシー
 - AWS S3へのPrism Central バックアップ&リストア
 - AHVによる CPU互換性の強化
 - オンデマンド CCLM の仮想プライベートクラウド(VPC)サポート
 - HPEハイブリッド高密度ノードのサポート
 
最近のPrism Centralアップデートについて
2023年に大きく仕様変更となったPrism Centralについて紹介する記事も公開していますので、この機にぜひご確認ください。
▽生まれ変わったPrism Centralのユーザーインターフェースをご紹介
その他重要なバグの修正など
- AOS 6.8.xで発生していたCVMのVLAN IDがAHVホスト再起動に伴い消去される不具合が解消
 - adminとnutanixユーザーのパスワードが保存されない不具合が解消
 - AHVのrootユーザーの自動ロック解除ができない不具合が解消
 
まとめ
この記事では、2024年10月にリリースされたAOS 6.10(LTS)や、並行してリリースされてきたPrism Centralの新機能を紹介しました。今回紹介した内容以外にも様々な機能が追加されていますので、メーカーのリリースノートも併せて確認されることをおすすめします。今後もAOSアップデートについて情報を発信していく予定ですので、ぜひまた当ブログへ情報を収集しに来ていただければ幸いです。
Nutanixのリリースノート
AOS 6.10 (LTS) Release Notes
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-AOS-v6_10:Release-Notes-AOS-v6_10
LTSとSTSについては、以下の記事をご参照ください。
Nutanix AOSのLTS/STSの考え方とサポート期間について
Nutanixに関する他の記事はこちら
著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 1課
友松 桂吾 - Keigo Tomomatsu -
DC運用や留学などの経験を経て2019年にSB C&S入社。好きなことは料理とお酒。嫌いなことは睡眠不足。




