Azul Platform CoreでJavaアプレットを存続させる

はじめに
主要なブラウザはアプレットのサポートを終了しましたが、多くの企業はいまだにアプレットベースのアプリケーションに依存しています。Oracleは代替としてJava WebStart(JWS)を導入しましたが、OpenJDKのオープンソース機能として維持することはありませんでした。Azulは、最新の実装における互換性とセキュリティを確保するため、有効な代替手段であるIceTeaWebへのフォークを継続的に更新しています。このブログ記事では、コードの変更を行うことなくアプレットを稼働させる方法について説明します。
かつてJavaアプレットは、インタラクティブなウェブアプリケーションの要でした。1990年代半ばに登場し、ウェブブラウザ内でJavaコードを実行する方法を提供することで、動的コンテンツやリアルタイムアプリケーション、そして複雑なクライアントサイド機能を必要とするエンタープライズ向けソリューションを可能にしました。その後、アプレットは幅広い業界で利用されるようになり、特に金融サービス、ヘルスケア、そしてOracle E-Business Suite(EBS)やOracle Formsといったエンタープライズアプリケーションで広く活用されました。
しかし、ブラウザにおけるセキュリティ強化およびウェブの進化に伴い、アプレットは次第に利用されなくなりました。主要ブラウザはJavaプラグインのサポートを廃止し、Oracle自身も後続のJavaバージョンにおいてそのサポートを終了しました。こうした衰退にもかかわらず、多くの企業は依然としてアプレットベースのアプリケーションに依存しており、それらを稼働させ続ける手段の確保が重大な課題となっています。
アプレットの代表的なユースケース
現代のWebアプリケーションがアプレットに取って代わった現在でも、多くの重要な業務システムは依然としてアプレットに依存しています。代表的な例としては、以下のようなものがあります。
• Oracle EBSとOracle Forms:これらのエンタープライズアプリケーションは、ユーザーインターフェースやビジネスロジックの実行にJavaアプレットを使用しています。
• 金融・銀行アプリケーション:多くのオンライン取引プラットフォームや銀行システムは、かつては安全なデータ入力や処理にアプレットを利用していました。
• 産業・製造システム:自動化、品質管理、モニタリングといったレガシーシステムは、グラフィカルなデータ可視化やコントロールパネルにアプレットを利用しています。
• 医療・科学アプリケーション: 多くの病院や研究機関では、画像処理、診断、遠隔モニタリングにアプレットベースのツールを利用しています。
代替ソリューションは存在するものの、アプレットベースのアプリケーションを置き換えるには多くのコストと時間がかかり、大幅なコードの書き換えや業務プロセスの変更が必要になります。こうした理由から、移行は企業にとって大きな懸念事項となっています。
移行パス:アプレットからJava WebStartへ
アプレットの段階的廃止に対応するため、有効な代替手段として導入されたのがJava WebStart(JWS)です。JWSを使えば、Javaアプリケーションをウェブリンク経由で展開できますが、ブラウザ内で実行するのではなく、ユーザーのシステム上でスタンドアロンアプリケーションとして動作します。
残念ながら、JWSはOracleによってオープンソース化されることはなく、OpenJDKにも含まれていません。Azulは、アプレットからJWSへの移行を検討している企業に対して、Oracleが廃止したJava WebStartと機能的に同等のオープンソース代替手段であるIcedTeaWeb(ITW)の完全サポート版を提供しています。元のプロジェクトはすでにコミュニティによるメンテナンスが行われていませんが、AzulはITWの更新を継続し、最新の実装における互換性とセキュリティを確保しています。
Java WebStartアプリケーション向けのAzul IcedTea Webソリューション
アプレットからの移行を検討している企業にとって、Azulが提供するITWベースのソリューションへの移行は有効なアプローチとなり得ます。AzulがITWのバージョンを継続的に保守しているため、企業は以下のようなメリットを得ることができます。
• 定期的なバグ修正とセキュリティアップデート
• エンタープライズグレードのサポートと互換性
• 既存のJavaアプリケーション向けの安定した移行パス
Azulが提供するITW実装に関する詳細なリリースノートについては、IcedTea Webリリースノートからご覧いただけます。
2025年、コード変更なしでJavaアプレットを実行する方法
アプレットをITWベースのソリューションへ移行することが有効な選択肢となり得る一方で、アプリケーションの移行にすぐに対応できない企業も存在します。ビジネスクリティカルなアプリケーションでは安定性が重視されるため、コードの書き換えやデプロイ方法の変更は予期せぬ問題を引き起こす可能性があります。
Azulでは、多くの組織がJava 6や7を含む現在利用中のJavaバージョンで、アプレットをそのままの状態で稼働させる必要があることを認識しています。そこで、Azul Platform Coreは、コード変更なし、最小限の修正、そして業務への影響なしでJavaアプレットを継続稼働させる手段を提供しています。このソリューションによって、以下のことが実現できます。
• 最新ブラウザによるサポートが終了している場合でも、既存のJavaアプレットの継続稼働が可能。
• コストのかかるコード書き換えや移行作業は不要。
• 企業は業務プロセスを中断することなく維持可能。
Azulのアプローチにより、企業は自社のペースで長期的な移行戦略を策定しつつ、アプレットベースのアプリケーションの運用継続が可能です。
アプレットに関する今後の有効な選択肢
Javaアプレットに依存している組織には、複数の選択肢があります。最適なアプローチは、ビジネスニーズ、リソース、そして長期的なIT戦略によって異なります。
- 他のテクノロジーへの移行:アプリケーションを最新のWebフレームワーク(Angular、React、Blazorなど)で書き換えることで、長期的な解決策となります。
- JWSへの移行:JWSはOracleによって廃止されましたが、AzulのIcedTeaWebソリューションを利用することで、アプレットをJWS同等の実装へと移行できます。
- Azulによるアプレットの継続稼働:Azul Platform Coreを利用することで、最小限の修正でアプレットを継続稼働させることができます。
まとめ:Javaアプレットのサポート
Javaアプレットは過去の技術と見なされることが多いものの、多くの企業においては依然としてミッションクリティカルなアプリケーションに必要とされています。JWSへの移行、アプリケーションの再構築、あるいはAzulによるアプレットの継続稼働など、ニーズに合ったソリューションを選ぶことができます。
Azulは、Javaテクノロジーを利用する企業を対象に、継続性、パフォーマンス、そしてセキュリティを確保するエンタープライズグレードのJavaソリューションとサポートの提供に尽力しています。
詳細をご希望の方は、今すぐお問い合わせください。Javaアプレットのスムーズな継続稼働に向けた選択肢についてご案内いたします。
関連リンク
Azul Systems公式サイト https://www.azul.com/ja/
Azul Platform製品紹介ページ
IT-EXchangeでAzul Plataformの詳しい製品説明をご覧ください。
この記事の著者:Daniel Witkowski
Azul の主任セールス エンジニアです。ソフトウェア エンジニアリング、パフォーマンス チューニング、技術コンサルティングにおいて 20 年以上の経験があります。 2022 年以来、世界中の企業が Java プラットフォームを最大限に活用できるよう支援してきました。

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